ラリーモンゴリアは1995年から続く、SSERオーガニゼーション主催の国際ラリーです。2017年はモンゴルの首都ウランバートルをスタートし、8日間で約4,000kmを走破します。草原地帯や砂漠地帯に加え、山岳地帯まで含まれルートは、標高・気温の変化が著しく変化に富むのが特徴です。
Reinforcement Rally teamは2012・2013・2014年と参戦し、2014年にはクラス優勝・Moto部門6位を獲得しています。1年あけて2016年に再び参戦しましたが、残念ながら4日目にリタイアを喫しました。本年はその雪辱を晴らすべく、昨年と同じマシンであるHPN Rally Sportを駆ってクラス優勝を目指します。

HPN社はBMW GSをベースとしたオフロードマシンを製作するコンストラクターであり、1985年のパリ・ダカールラリーにおいてガストン・ライエのライドで優勝したBMWファクトリーチームのGSはHPNの手になるマシンとして特に有名です。他にもパラレバーやHP2 Eunduroの開発に携わるなど、BMWと深い関わりを持つことで知られています。2016/2017年のマシンは、強化されたフレームと足回り・ビッグタンク・大型フェアリングなどラリー向けの装備を持つ「Rally Sport」と呼ばれるモデルをベースに、Reinforcementにて現代の技術と素材を複合して製作しました。

フロントフェアリングステー及びナビゲーションタワーは、軽量かつメンテナンス性の向上を狙い構造を一新してアルミで製作しました。フェアリングもドライカーボンで製作したことにより、フロント周りは大幅に軽量に仕上がっています。ラリーコンピューター・CAPリピーター・ロードブックホルダーは、多くのファクトリーチームも採用するICO RALLYE MAX・RALLYE MAX-G・MD Road Runnerを選択。Lyndon Poskitt Racing製のスイッチは、2台のICOとMDをコントロール可能です。また、初のナイトステージに備え、ハロゲンヘッドライトに加え、Bajadesigns社のLEDライトをアッセンブルしています。特徴的な43Lフューエルタンク・フェアリング・前後フェンダーはオリジナルデザインのWako’sカラーとしました。

エンジンはOHVフラットツインをベースにHPNによるチューニングが施されています。マーレ製ピストン/シリンダーで1043ccにボアアップ、ハイカムがインストールされたエンジンは、ラリーにおいても十分なパワーを発揮。点火系はHPN CDIイグニッションシステムに換装し、モンゴルの粗悪なガソリンにも対応します。

フロントにはWP製 4860ファクトリーフォークを、リアにはHPN製強化スイングアームにオーリンズ製スペシャル3Wayサスペンションをフィッティングしました。フロントハブはWoody Wheel Works、リアハブはHPNで前後共にTakasago Excelの21”/18”リムを組み合わせています。タイヤはミシュランデザート+ビブムースです。

HPNのマシンをベースにReinforcementの経験と技術を生かしたモディファイを加えたことで、より戦闘力の高いラリーマシンに仕上がりました。

今後もReinforcementは、BMWだけでなく、KTMやAfrica Twinをベースとしたラリーマシンの製作を行い、ラリーに参戦して行く予定です。引き続き、Rally Mongolia 2017の参戦レポートを公開いたしますので、ぜひご注目下さい。